経済的な悪循環を、仕組みから変えていく

− 玉木さんの思う、今の日本の一番の問題点は何でしょうか。
玉木雄一郎(以下、玉木)国民のみなさんの多くが不安を感じながら生活していること、不安を感じざるを得ない社会になってしまっていることですね。個人の努力、自己責任ではどうにもできない不安が、国民生活を脅かしていると日々感じます。
− たとえばどういった点に対する不安ですか?
玉木まずは何といっても経済的な不安ですよね。景気はよくなっていると政府は言う。だけど生活が楽になっている気がしない、むしろ苦しい、という方は多いでしょう。それは当然です。実のところ、世帯ベースで所得を見ると、この20年間で中央値が122万円も減っているんですよ。*1しかも、専業主婦の多かった平成初期と、共働きの家が7割を占める後期を比べての数値です。
こくみんメモ*1
世帯所得(単身世帯、2人以上世帯合わせて)の中央値は、1993年と1995年に最高額の550万円に達した。その後大幅な減少に転じ、2015年の段階では428万円と、122万円減少している。
− 夫婦ふたりで働いても、家庭によってはかつての男性ひとり分の所得すら得られない時代になっているのですね。
玉木ええ。これでは若い人は、結婚や出産に対して前向きになれませんよね。そして40代50代になれば……私もまさにその世代ですけれども、子どもが大学に進学したり、親の介護が必要になったり、自分の老後に備えての蓄えもしなくちゃならなかったりと、さまざまな負担が増えていきます。根本的に、そうした負担を強いる社会の仕組み自体が破綻しているんです。私は国民民主党の代表として、この現状を変えていきたいと思っています。

あらゆる人と地方が、希望を持てる社会をつくるために

− そんな中、2019年10月には消費税が10%に引き上げられる予定ですが、この点についてどうお考えですか?
玉木国民のみなさんが安心して暮らせるサービスを整えるためにも、財源としての消費税は必要ですよ。でも今回の増税は、実は高所得者ほど得をし、低所得者ほど損をする仕組みになっている。おまけに「軽減税率*2」だの「ポイント還元*3」だのと、国民から見てわかりにくいところが多すぎるんです。だから賛成はできません。もっと国民の生活に寄り添った、希望を抱ける政策が必要です。私たちの目指す社会像は、「貯金ゼロでも不安ゼロの社会」ですから。
こくみんメモ*2
軽減税率について:2019年10月1日より実施予定の、消費増税に伴って導入される新しい仕組み。ほとんどの消費税率は10%に引き上げられるが、一部の生活必需品は「軽減税率」として8%に据え置きになる。軽減税率の対象品目は、酒類・外食を除く飲食料品や、週2回以上発行される新聞など。ただし新聞は、定期購読契約に基づく宅配新聞のみ対象で、駅の売店やコンビニ、電子版での購入は対象外となる。
こくみんメモ*3
ポイント還元について:消費増税以降、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を使った場合には、購入額の2%もしくは5%をポイントで還元する施策。
− 国民民主党の考える、国民に希望を与える政策とはどのようなものでしょうか。
玉木今一番力を入れるべきは「未来をになう子どもたちのための政策」です。ただでさえ少子化が進む中、7人に1人が相対的貧困状態*4にあるなど、ひとりひとりの子どもの置かれている状況は厳しくなっている。私自身子どもを持つ親ですから、胸が痛みます。どんな家、どんな地域に生まれた子にも、等しくチャンスと希望を与えられる、そんな社会にしなければいけません。
それに、子どもたちの政策に財政支出をしていけば、結果として社会全体にお金が回って、税収が上がり、日本全体の競争力を高める研究開発なども活発化していく。子ども、人を大切にする政策で社会を元気にしていきたいというのが、私たちの大きな政策の柱ですね。
こくみんメモ*4
政府発表の厚生労働省国民生活調査では、2017年では子ども(17歳以下)の貧困率は13.9%(7人に1人)と発表され、ひとり親家庭の場合、その半数以上が相対的貧困状態にある。
− 現役世代への政策としては、どのようなことをお考えですか?
玉木お金の社会への循環を、もっとよくするような政策を打ち出していきたいですね。先ほど話したように、働き手の所得が下がっている一方で、企業が貯め込んでいるお金は何百兆円*5とあるんです。これがもっと働き手に回るよう、法人税の仕組みを変えるなどの政策は可能なはずです。
あとは、やはり時代にそぐわない慣習を断ち切って、ひとりひとりが収入面以外でも「生きやすい」と思える社会にしたいですね。たとえば選択的夫婦別姓*6は当然導入するべきですし、男性の育児休暇取得の権利ももっと保護しなければならないと思います。それと、地方に住む人々との連携も課題ですね。
こくみんメモ*5
企業が得た利益のうち、給与や設備投資に使わず溜め込んでいる貯蓄のことを「内部留保」と呼ぶ。財務省の2017年の法人企業統計によると、全産業の内部留保の合計額は500兆円を超え、過去最高となった。
こくみんメモ*6
結婚をする際に、夫婦で同じ姓を名乗るか、別の姓を名乗るかを自由に選べる制度。日本では民法750条によって、必ず夫か妻どちらかの姓を名乗る原則が定められているため、別姓制度導入には民法改正が必要となる。
− なぜ、地方との連携が必要なのでしょう。
玉木地方出身の私から見れば、今の政策は“都会目線”すぎます。農業ひとつとっても、害獣被害*7耕作地放棄*8は深刻ですし、農業従事者は高齢者が多く後継者も育っていない。このままでは遠からず第一次産業が破綻しかねない。国民民主党は地域・地方を大切にする政党ですし、地方の現状に通じたメンバーがたくさんいますので、広く国民のみなさんの声を集めて、政策につなげていくつもりです。
こくみんメモ*7
シカ、サルなどの害獣による作物被害額は2017年で170億円。森林の被害面積は、全国で年間8,000ヘクタールにも及ぶ。
こくみんメモ*8
耕作放棄地の面積は、年々増加中。1990年の耕作放棄地は21.7万ヘクタールだったが、2017年には42.3万ヘクタールにまで達している。

国民の声を集めて「新しい答え。」を作り出す

− 国民民主党が、他の政党と違う特徴は何だと思いますか?
玉木「新しい政党」である、ということです。党が結成されてまだ間もないですし、私は今49歳で、すべての政党の中で一番若い代表でもあります。そして何より、政策が未来を向いている。古い価値観にとらわれず、今の時代に本当に必要な、新しい取り組みにどんどん挑戦していく——そういう想いを持ったひとが集まってできているのが国民民主党なんです。
− 新しいといえば、玉木さんは最先端のガジェットがお好きなことでも有名ですね。1月末の代表質問で、質問をタブレットに表示させて読み上げようとしたところ拒否されたという出来事が、世間で話題になりました。
玉木みなさん、「国会ってこんなに遅れた場所なのか!」とびっくりされたでしょう(笑)。こうしたことひとつとっても、日本の政治の古さや閉塞感が表れています。積極的に問題提起をし、政治の世界にもイノベーションを起こしていきたいですね。かつて織田信長が、当時の最先端テクノロジーであった鉄砲*9を活用したように。
こくみんメモ*9
織田信長は、南蛮からの輸入品を収集したり、鉄砲をいち早く戦に取り入れたりと、「新しいもの好き」であった。社会制度の改革にも意欲的で、それまで存在していた商人組合である「座」を廃止し、城下町で誰もが安い税で商売を行えるようにする「楽市楽座」などの革新的政策を行ったことで知られる。
− なぜ、「新しさ」にこだわることが必要なのでしょうか。
玉木新しい時代には、この社会のさまざまな問題に対する「新しい答え。」が必要だからです。そしてその答えは、他ならぬ国民のみなさんの声を集めていった先に、作り出されるもの。
もう平成も終わり、新しい時代がやってきます。右にも左にもかたよらない “改革中道政党”として、多様な意見を認めながら、その中で丁寧に合意を作り上げていきたいというのが、代表としての私の願いです。みなさん、ぜひとも私たち国民民主党に注目してください。そして声をお寄せいただければと思います。ともに、日本を変える「新しい答え。」を作り出していきましょう。